夏に咲く君に、きっと恋する【完】
 ーーねぇ、おじいちゃんは?

 と凛が聞くので近くの畑に野菜採りに行ってるよ、と伝えると、またか、という顔をして、ふーんと言った。

 まだまだ甘えたい年頃のはずだが、凛はとても物静かであまり喋らない女の子だった。なんだか、昔の自分を思い出してしまう。つい重ねてしまう。これもやはり老いのせいなのだろうか。

 懐かしさに浸っていると、ふと、スイカを食べ終わった凛が呟いた。
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