夏に咲く君に、きっと恋する【完】
 しばらくして、あちこちで蒼先生、蒼ちゃんなんて呼ばれるようになり、すっかり生徒と打ち解けたようだが、私の期待も虚しく彼は、ごく普通の現代文の先生であった。

 指定された教材で、淡々と授業を進める。代わり映えもない。

 決して深くまで探ろうとはしない、模範解答を求める日々。

 そんな日々に私は飽き飽きしてきた頃の事だった。
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