高校生と大学生
 そして、遂に日曜日。
 私は朝から絶対に何があってもカフェに行く。と決めていた。
 今回も同じように情報を片っ端からチェックする。
 「キャラメルソースを追加するともっとおいしいのか…」
 「アップルパイも美味しそうだな」
 などと考えながら。
 案の定カフェに向かった。
 俗に言う有言実行ってやつだ。絶対にフラペチーノを買いに行く。という珍しいパターンの。 
店の近くに行くと、ドラマや映画でよくある時が止まったかのように感じられた。
 初めての経験で、自分でもびっくりした。

 「あ、あの人だ」

 彼は私の目を奪ってどうしようもなかった。
 彼の姿に吸い込まれたような気がした。
 やっぱりかっこいい。

 片耳にかかった茶色と黒が混ざったようなサラサラの髪。
 フラペチーノを作る際の慣れたしなやかな手つき。
 それは、遠くからでも分かってしまった。

 私は、気がついたら早足になってカフェに向かっていた。
 注文をすると、お兄さんがフラペチーノを作り出す。
 その時でさえ、私はずっとお兄さんに釘付けになっていた。

 その姿を見ていると、どこからともなく心臓が跳ねるのが分かった。
 ドクンッドクンッと、早い鼓動が耳にまで聞こえる。

 私は分かってしまった。
 これは「恋」だと。

 もう、お兄さんには相手がいるかもしれない。
 などと考えてみたが、やっぱり胸の鼓動は
 速いままだ。もう、どうしようも無い。
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