お願い、成仏してください! ~「死んでも君を愛する」と宣言した御曹司が幽霊になって憑きまとってきます~
「昨日の夕方、取りに実家に戻った。だから一時的に君から離れた。不安にさせたみたいで、ごめんね」
物を浮かせられるのは見ていたからわかる。
だけど、隠し持つことまでできるなんて、いったいどうなってるんだろう。
聞いてもきっと彼にも答えられないだろうけど。
「本当はさ、月曜日に渡すつもりだったんだ」
私たちの運命をわけた月曜日だ。
あの日、ちゃんと待ち合わせ場所に行ったら、彼は事故に遭わなくてすんだのだろうか。
「女性は指輪を自分で選びたいものだよね? 作るのはあとからでもできるから、石だけ買っておいたんだ。俺はドジだからあの日も家に忘れてたんだけどね」
彼はごまかすように笑う。
涙で潤んで、彼の姿がぼやけた。
「俺の遺産、受け取ってくれる?」
「そんなプロポーズする人、あなたくらいよ」
私は目を拭ってからケースをしっかりと受け取った。
「これからも一緒にいてね」
「もちろんだよ!」
答える彼は、晴れやかに笑顔を浮かべた。
「このダイヤがあれば死後認知がしやすくなると思う。俺に結婚する意志があったってことだから」
この前、あれがあればって言っていたのは、このダイヤのことだったんだ。
はっきり言ってくれたら良かったのに。
私も、怖がらずに聞けばよかった。
後悔しても戻らないけど、でもこれからは。
私はまた彼を見た。
前よりも透き通って見えて、私は目をこすった。涙のせいかと思ったが、やっぱり透明度が上がっている気がする。
「あなたの姿、薄くなってない?」
「あれ?」
彼は立ち上がり、自分を見る。
「そうかも」
彼は困ったように私を見た。
「心残りだったプロポーズができたから……かな」
「そんな!」
物を浮かせられるのは見ていたからわかる。
だけど、隠し持つことまでできるなんて、いったいどうなってるんだろう。
聞いてもきっと彼にも答えられないだろうけど。
「本当はさ、月曜日に渡すつもりだったんだ」
私たちの運命をわけた月曜日だ。
あの日、ちゃんと待ち合わせ場所に行ったら、彼は事故に遭わなくてすんだのだろうか。
「女性は指輪を自分で選びたいものだよね? 作るのはあとからでもできるから、石だけ買っておいたんだ。俺はドジだからあの日も家に忘れてたんだけどね」
彼はごまかすように笑う。
涙で潤んで、彼の姿がぼやけた。
「俺の遺産、受け取ってくれる?」
「そんなプロポーズする人、あなたくらいよ」
私は目を拭ってからケースをしっかりと受け取った。
「これからも一緒にいてね」
「もちろんだよ!」
答える彼は、晴れやかに笑顔を浮かべた。
「このダイヤがあれば死後認知がしやすくなると思う。俺に結婚する意志があったってことだから」
この前、あれがあればって言っていたのは、このダイヤのことだったんだ。
はっきり言ってくれたら良かったのに。
私も、怖がらずに聞けばよかった。
後悔しても戻らないけど、でもこれからは。
私はまた彼を見た。
前よりも透き通って見えて、私は目をこすった。涙のせいかと思ったが、やっぱり透明度が上がっている気がする。
「あなたの姿、薄くなってない?」
「あれ?」
彼は立ち上がり、自分を見る。
「そうかも」
彼は困ったように私を見た。
「心残りだったプロポーズができたから……かな」
「そんな!」