寄り道

「何が言いたいかというと!誰でも可能性があるってこと!旦那から女として扱ってもらえなくなると最初は納得していたとしても、女として扱ってくれる男が現れたら揺らいでしまう。女は一生女よ。女としての自分を忘れたままならいい。でも1度失ったものが手元に戻って来たときもう二度と離したくないって思ってしまう。」

そうだ。本当にその通りだ。

私はずっと気づかないふりをしてきただけだ。

それを認めてしまったら私が壊れてしまうと分かっていたから。

夫は娘が生まれてから私を妻としてではなく母として見ている。

どの家庭もこんなものだろうと自分を納得させていた。

夫の好きな食事を作ってみたり

バレンタインを手作りしてみたり

記念日はいつもより豪華な食事にしてみたり

無意識に母としてではなく妻として夫に接していたが

夫が気づくことはない。

毎日私が用意したネクタイ、くつ下、Yシャツを着て出社し、帰宅してからは当たり前かのようにソファーに脱ぎ捨てる。
< 18 / 34 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop