寄り道
距離
斉木さんが異動してきて早1ヵ月。
課長は退職。新しい課長は斉木さんとなった。
斉木さんとは大橋さんを挟んでそれなりに会話するくらいの仲になっていた。
いつものように出勤すると斉木さんと大橋さんが何やら楽しそうに話していた。
「おはようございます。何かあったんですか?」
「おー!おはよう!いや、そろそろ歓迎会しないかって話してたのよ!」
そういえばしてなかったっけ。大橋さん飲み会好きだもんなぁ。
大橋さんは早くに結婚して息子さんも生まれ、私と出会ったときには仕事に子育てにとても大変そうだった。
去年息子さんの就職が決まり県外へ出たそうだ。
最初はとても寂しそうで元気がなかったが、何も考えずに飲み会に行けると気づいたようだ。
旦那さんも自分のことは自分でするように教育したらしく、手がかからないらしい。
「いいですね。歓迎会。しましょうよ。」
「藤波さんまで…。課長の送別会やってないのに申し訳ないですよ。」
「あれは仕方ないですよ。若い子たちが拒否だったんで。斉木さんの歓迎会だったら来なくていいって言ってもみんな来ますよ。」
「そうそう!本当お人好しね。斉木君は。」
「じゃあ藤波さんがいい日で決めましょう。お家のこともあるでしょうし。」
……!?
そのセリフはいつも大橋さんが言ってくれるセリフだった。
華ちゃんにはきてほしいからと。
不覚にもドキッとしてしまった。
「ねー?華ちゃんには絶対来てほしいから!」
「ありがとうございます」
「いつがいいか決まったら僕にも教えてもらえますか?予定空けとくので。連絡先教えておくのでこちらに。」
連絡先!?連絡先だと!?結婚してから新規男性との連絡先交換は初めてだ。
いいのか?そもそも個人的に伝える必要あるのか?今まで通り会社のグループチャットで呼びかけじゃダメなのか?
まぁ何もやましいこともないしいいか。夫もダメとは言わないだろう。
「分かりました。お店の予約は大橋さんに頼みましょう。美味しいお店たくさん知ってるので。」
「まかせといてー!」
その後いつものように仕事を淡々とこなし、もう帰る時間だ。
最近時間が経つのがすごく早く感じる。
20代のときもそうだったが、30代になって余計にだ。
ついこの間お正月を迎えたのにもう葉桜を見ながら帰宅している。
時の流れは恐ろしい。
課長は退職。新しい課長は斉木さんとなった。
斉木さんとは大橋さんを挟んでそれなりに会話するくらいの仲になっていた。
いつものように出勤すると斉木さんと大橋さんが何やら楽しそうに話していた。
「おはようございます。何かあったんですか?」
「おー!おはよう!いや、そろそろ歓迎会しないかって話してたのよ!」
そういえばしてなかったっけ。大橋さん飲み会好きだもんなぁ。
大橋さんは早くに結婚して息子さんも生まれ、私と出会ったときには仕事に子育てにとても大変そうだった。
去年息子さんの就職が決まり県外へ出たそうだ。
最初はとても寂しそうで元気がなかったが、何も考えずに飲み会に行けると気づいたようだ。
旦那さんも自分のことは自分でするように教育したらしく、手がかからないらしい。
「いいですね。歓迎会。しましょうよ。」
「藤波さんまで…。課長の送別会やってないのに申し訳ないですよ。」
「あれは仕方ないですよ。若い子たちが拒否だったんで。斉木さんの歓迎会だったら来なくていいって言ってもみんな来ますよ。」
「そうそう!本当お人好しね。斉木君は。」
「じゃあ藤波さんがいい日で決めましょう。お家のこともあるでしょうし。」
……!?
そのセリフはいつも大橋さんが言ってくれるセリフだった。
華ちゃんにはきてほしいからと。
不覚にもドキッとしてしまった。
「ねー?華ちゃんには絶対来てほしいから!」
「ありがとうございます」
「いつがいいか決まったら僕にも教えてもらえますか?予定空けとくので。連絡先教えておくのでこちらに。」
連絡先!?連絡先だと!?結婚してから新規男性との連絡先交換は初めてだ。
いいのか?そもそも個人的に伝える必要あるのか?今まで通り会社のグループチャットで呼びかけじゃダメなのか?
まぁ何もやましいこともないしいいか。夫もダメとは言わないだろう。
「分かりました。お店の予約は大橋さんに頼みましょう。美味しいお店たくさん知ってるので。」
「まかせといてー!」
その後いつものように仕事を淡々とこなし、もう帰る時間だ。
最近時間が経つのがすごく早く感じる。
20代のときもそうだったが、30代になって余計にだ。
ついこの間お正月を迎えたのにもう葉桜を見ながら帰宅している。
時の流れは恐ろしい。