寄り道
コンビニまでの道のりはいろんな感情が入り交じっていた。
本当にいいのだろうか。
やっぱりやめようか。
でも会いたい。
コンビニに着いて温かい飲み物を2本買い、外のベンチで斉木さんを待った。
何だかソワソワする。
イヤホンから流れてくる学生時代から好きなバンドの曲。
失恋ソングや遊ばれた女の曲が多いバンドだ。
何だか今日はそれがすごく沁みる。
ぼーっとしていると白い外車のセダンが止まった。
ピロン
゛今来た白い車が僕です。乗って下さい。゛
見た目もイケおじなのに車までイケてるのね。
「すみません。お待たせして。」
「いえ、とんでもないです。わざわざありがとうございます。」
「じゃあ行きましょうか。」
少し緊張しているのか何だかぎこちない。
静まり返った車内に昔流行った星や宇宙をモチーフにした曲が流れる。
「寒くないですか?」
「大丈夫ですよ。ありがとうございます。このバンド好きなんですか?」
「そう。もう10年くらいかな。」
「そうなんですね。」
「ここが僕の家です。」
外装がとてもオシャレで階段には1段づつライトがついている。
「どーぞ。」
「お邪魔します。」