寄り道

揺らぐ


あの飲み会から2ヶ月以上たった。

毎日ジメジメしていて紫陽花がとても綺麗にさいている。

あれから変わった事と言えば斉木さんと大橋さんとおやつの交換をしていることくらいだ。

私と大橋さんが交換しているのを見て斉木さんも入ってくるようになった。

「斉木くんアンタ本当甘いものが好きね。そんな見た目で。」

「甘いもの食べると幸せな気持ちになれるんです。」

「あー。それ分かる気がします。」

「華ちゃんも甘いもの好きだもんねぇ。アンタたちいろいろとお似合いよ。」

「「ちょっと!」」

「ふふふふ。」

大橋さんは不敵な笑みを浮かべながらコーヒーを入れに行った。

爆弾投下して逃げていくとは恐るべし…。

あの日から斉木さんとの距離が少しづつ近づいているのは分かっていた。

お互いぎこちなさが無くなった様な。

「とんでもないこと言いますね。大橋さんらしいですけど。」

「本当ですよね笑」

「藤波さん今度美味しいパンケーキ食べに行きませんか?僕の家の近くにあるんですよ。」

んー?これは行っていいのか?!2人で?!

「分かりました。また行けるか分かったら言いますね。」

夫がOKをくれればいいだろう。

何となく夫はいいと言うと思う。

夫は私のことを…。

考えるのをやめた。

ここ何年かずっと気づかないふりをしてきた事だ。

とりあえず行ってもいいか聞いてみよう。
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