魔女令嬢アリスの100日旅~婚約破棄だと勘違いした殿下が、心配すぎて私に内緒でついて来てしまったそうで~
「殿下、私があなたから離れることはありません。私は手紙に書いた通り、母の死の真相と父の治療薬の手がかりを探したいのです」
「アリス……」
「結婚式には戻ります。だから待っていてほしい、と……申し出をさせていただいたのですが」
殿下は言い澱んだ私の頬に手を添えて、自らと視線が合うように私の顔を向けた。
「ふふ、残念だ。私は勘違いで君をついてきてしまったようだ」
彼は本当に勘違いで来たのだろうか。
そう思っていると、ふとテーブルの上にあるメッセージカードを見つけた。
『この度はクルーズトレイン クレセント号にご乗車くださりありがとうございます。
本列車はトワネット国~エルランド国を旅する列車です。
最初の到着駅はセラード国 バラージュ街になります』
セラード国──。
お母様が地図に印をつけていた場所だ。
「これがミレーヌ様の手帳か?」
「はい。ここに印がついています」
殿下は地図上にある線路をなぞると、じっと見つめている。
「殿下?」
「この印の街に王族御用達の宝飾店がある。しかも、それは魔術師が店主の店だ」
「え!?」
「アリス……」
「結婚式には戻ります。だから待っていてほしい、と……申し出をさせていただいたのですが」
殿下は言い澱んだ私の頬に手を添えて、自らと視線が合うように私の顔を向けた。
「ふふ、残念だ。私は勘違いで君をついてきてしまったようだ」
彼は本当に勘違いで来たのだろうか。
そう思っていると、ふとテーブルの上にあるメッセージカードを見つけた。
『この度はクルーズトレイン クレセント号にご乗車くださりありがとうございます。
本列車はトワネット国~エルランド国を旅する列車です。
最初の到着駅はセラード国 バラージュ街になります』
セラード国──。
お母様が地図に印をつけていた場所だ。
「これがミレーヌ様の手帳か?」
「はい。ここに印がついています」
殿下は地図上にある線路をなぞると、じっと見つめている。
「殿下?」
「この印の街に王族御用達の宝飾店がある。しかも、それは魔術師が店主の店だ」
「え!?」