魔女令嬢アリスの100日旅~婚約破棄だと勘違いした殿下が、心配すぎて私に内緒でついて来てしまったそうで~
セラード国編
第5話 セラード国へようこそ
「ここが、セラード国……」
列車から降りてみると、そこは今までに見たことがないような賑やかな街だった。
大きくてドーム型の建物がたくさん並んでいて、屋根は赤みがかったような色をしている。
細やかで繊細な模様の壁に、細長い窓がいくつも並んでいた。
「すごい……!」
「やはり、セラード国のジェラルツェの街並みは美しいな」
殿下は周りを見渡してじっくりと観察している。
「で……ニコラ様は来たことがあるのですか?」
「ああ、仕事で何度か来た。人柄も明るくて好きなんだ」
街を歩いている人に目を向けると、すらりと綺麗な人々が多い。
そんな中でマーケットのような市場が開かれており、子どもも数人走り回っている。
「アリス、ホテルに行こうか」
「……へ?」
聞き間違いだろうか、今なんかすごいお誘いを受けたような……。
私は信じられないものを見る目で殿下を見つめる。
すると、殿下は手を左右に振って否定した。
「さすがにそう意味で誘わない、今は」
「今は……?」
列車から降りてみると、そこは今までに見たことがないような賑やかな街だった。
大きくてドーム型の建物がたくさん並んでいて、屋根は赤みがかったような色をしている。
細やかで繊細な模様の壁に、細長い窓がいくつも並んでいた。
「すごい……!」
「やはり、セラード国のジェラルツェの街並みは美しいな」
殿下は周りを見渡してじっくりと観察している。
「で……ニコラ様は来たことがあるのですか?」
「ああ、仕事で何度か来た。人柄も明るくて好きなんだ」
街を歩いている人に目を向けると、すらりと綺麗な人々が多い。
そんな中でマーケットのような市場が開かれており、子どもも数人走り回っている。
「アリス、ホテルに行こうか」
「……へ?」
聞き間違いだろうか、今なんかすごいお誘いを受けたような……。
私は信じられないものを見る目で殿下を見つめる。
すると、殿下は手を左右に振って否定した。
「さすがにそう意味で誘わない、今は」
「今は……?」