魔女令嬢アリスの100日旅~婚約破棄だと勘違いした殿下が、心配すぎて私に内緒でついて来てしまったそうで~
第8話 最初からすべて試されていたことだった
男の子が案内してくれたのはお店の近くにあった森の中。
その中にポツンと一つだけ小さなアトリエの小屋があった。
「よかったらどうぞ」
「ありがとう! あ、えっと……」
私がまだ名前を聞いていなかったことに言葉を詰まらせると、「失礼しました」とお辞儀しながら男の子は名乗る。
「ポワロです」
「あ、ポワロくん。お茶、ありがとうございますね」
私は用意してくれた紅茶を一口飲むと、なんだか心がほっとする。
「何が入っている?」
私の隣で同じように紅茶を飲んだ殿下が、少し怖い声で男の子に尋ねる。
すると、男の子は棚にしまってあった小さな植物の実を取り出して私たちに見せた。
「この地方でよくお茶にいれるベリーの一種です。体をあたためる効果があるんです、まだこの地方は朝は寒いですから」
そう言えば朝晩は冷え込みやすいって殿下が言っていたことを思い出す。
少し控えめな赤の実のベリーの香りなのかほんのり甘酸っぱい感じもする。
「で……ニコラ様、美味しいですね」
「ああ」
その中にポツンと一つだけ小さなアトリエの小屋があった。
「よかったらどうぞ」
「ありがとう! あ、えっと……」
私がまだ名前を聞いていなかったことに言葉を詰まらせると、「失礼しました」とお辞儀しながら男の子は名乗る。
「ポワロです」
「あ、ポワロくん。お茶、ありがとうございますね」
私は用意してくれた紅茶を一口飲むと、なんだか心がほっとする。
「何が入っている?」
私の隣で同じように紅茶を飲んだ殿下が、少し怖い声で男の子に尋ねる。
すると、男の子は棚にしまってあった小さな植物の実を取り出して私たちに見せた。
「この地方でよくお茶にいれるベリーの一種です。体をあたためる効果があるんです、まだこの地方は朝は寒いですから」
そう言えば朝晩は冷え込みやすいって殿下が言っていたことを思い出す。
少し控えめな赤の実のベリーの香りなのかほんのり甘酸っぱい感じもする。
「で……ニコラ様、美味しいですね」
「ああ」