魔女令嬢アリスの100日旅~婚約破棄だと勘違いした殿下が、心配すぎて私に内緒でついて来てしまったそうで~
殿下にしては珍しく言葉数が少ないなと思ったけど、さっきあんなことがあったばかりだもんね。
私は机の下で殿下の手の上に自分の手を重ねた。
「アリスっ!?」
「ニコラ様には私がいますからね!」
何のことかわからないと言った様子で殿下は私を見ている。
すると、キッチンから戻ったポワロくんが席に着きながら私たちに声をかけた。
「ふふ、お二人は仲が良いのですね」
「え……あ、す、すみません!」
そこで自分がかなり大胆なことを人前でしているということに気づき、さっと手を引く。
名残惜しいというように口を尖らせて不満な顔をする殿下に、「ほら、ポワロくんの前ですし」とちょっと言い訳を口にしてみる。
そうして少し談笑した後、ポワロくんは大事にしまってあったイルゼさんの形見を私たちに見せて話す。
形見は何かの笛のようなものに見える。
「私はイルゼ師匠に拾われた子どもです。一緒に住んで宝飾店のお手伝いをさせていただいておりました」
そうすると笛がポワロくんの手の中で光っていく。
「え!?」
「これはイルゼ師匠の魔導具です」
私は机の下で殿下の手の上に自分の手を重ねた。
「アリスっ!?」
「ニコラ様には私がいますからね!」
何のことかわからないと言った様子で殿下は私を見ている。
すると、キッチンから戻ったポワロくんが席に着きながら私たちに声をかけた。
「ふふ、お二人は仲が良いのですね」
「え……あ、す、すみません!」
そこで自分がかなり大胆なことを人前でしているということに気づき、さっと手を引く。
名残惜しいというように口を尖らせて不満な顔をする殿下に、「ほら、ポワロくんの前ですし」とちょっと言い訳を口にしてみる。
そうして少し談笑した後、ポワロくんは大事にしまってあったイルゼさんの形見を私たちに見せて話す。
形見は何かの笛のようなものに見える。
「私はイルゼ師匠に拾われた子どもです。一緒に住んで宝飾店のお手伝いをさせていただいておりました」
そうすると笛がポワロくんの手の中で光っていく。
「え!?」
「これはイルゼ師匠の魔導具です」