ミューズな彼女は俺様医師に甘く奏でられる
5・キス
■
その後はサウスパークへやって来て、潮風を浴びている。
公園の面積は広く、森林に囲まれたエリアと海岸に隣接したエリアがあり、後者はミュージシャンなどパフォマーの姿が多い。
潮風は楽器にとってよくないものの、遮るものが少ない環境は音色がダイレクトに届く。
森林エリアの動物達の演奏も魅力的だが、路上ライブもなかなかいい。耳を澄ませ、目を閉じた。膝の上にベリカ犬を置いて。
「検査結果を待つ間に確かめておきたい事があるんだが?」
「なに?」
「ここ数年のスケジュールだ。マネージャーに頼んで出して貰えないか? それとも桜が管理している?」
「スケジュール調整はエミリーに全て任せていて」
「彼女が入れるまま仕事をしていたと?」
「その言い方は語弊があるわ。仕事をコンスタントに獲得するって難しいのよ? 病院みたいに看板を出せば患者が集まってくる訳じゃない」
ここで目を開け、慎太郎を窺う。
「あなた、エミリーが嫌い?」
ストレートに尋ねた。
「嫌いというより価値観が合わない感じ、だな。少なくとも俺には桜が働き過ぎに思える。仕事の基本は体力、休む時はしっかり休まないと」
「エミリーも同じような事を言ってた。仕事が出来る人間とは休暇を楽しめる人間でもあるって」
「ほぅ、そこは同意見だな」
「慎太郎は代休中なのに仕事の話をしてるよ?」
「はは、参ったな。担当患者の為に休日を捧げる医者の鑑みたいな俺に、そういう意地悪を言うなんて」
苦笑いする慎太郎。落ち込む真似する彼をベリカ犬を介して慰める。
「タダ働きさせるのは申し訳ないから、一曲リクエストをどうぞ」
「ま、まさか、ここで弾くつもりじゃないだろうな!」
「えぇ、そのまさかよ。あそこで弾いている彼女に借りようと思って」
その後はサウスパークへやって来て、潮風を浴びている。
公園の面積は広く、森林に囲まれたエリアと海岸に隣接したエリアがあり、後者はミュージシャンなどパフォマーの姿が多い。
潮風は楽器にとってよくないものの、遮るものが少ない環境は音色がダイレクトに届く。
森林エリアの動物達の演奏も魅力的だが、路上ライブもなかなかいい。耳を澄ませ、目を閉じた。膝の上にベリカ犬を置いて。
「検査結果を待つ間に確かめておきたい事があるんだが?」
「なに?」
「ここ数年のスケジュールだ。マネージャーに頼んで出して貰えないか? それとも桜が管理している?」
「スケジュール調整はエミリーに全て任せていて」
「彼女が入れるまま仕事をしていたと?」
「その言い方は語弊があるわ。仕事をコンスタントに獲得するって難しいのよ? 病院みたいに看板を出せば患者が集まってくる訳じゃない」
ここで目を開け、慎太郎を窺う。
「あなた、エミリーが嫌い?」
ストレートに尋ねた。
「嫌いというより価値観が合わない感じ、だな。少なくとも俺には桜が働き過ぎに思える。仕事の基本は体力、休む時はしっかり休まないと」
「エミリーも同じような事を言ってた。仕事が出来る人間とは休暇を楽しめる人間でもあるって」
「ほぅ、そこは同意見だな」
「慎太郎は代休中なのに仕事の話をしてるよ?」
「はは、参ったな。担当患者の為に休日を捧げる医者の鑑みたいな俺に、そういう意地悪を言うなんて」
苦笑いする慎太郎。落ち込む真似する彼をベリカ犬を介して慰める。
「タダ働きさせるのは申し訳ないから、一曲リクエストをどうぞ」
「ま、まさか、ここで弾くつもりじゃないだろうな!」
「えぇ、そのまさかよ。あそこで弾いている彼女に借りようと思って」