ミューズな彼女は俺様医師に甘く奏でられる
「嫌って即答されても、担当交代は医院長命令。流石に背けない」
「少しだけ待って下さい」
俺は頭を下げた。彼女の担当をどうしても外れたくないし、スポンサー離れの対策を講じたい。その為に根回しが必要。
「参考までに何をしようとするのか、聞いてもいいかい?」
「はい、隠しても仕方ないですし。先輩にも協力をお願いしたい。伊集院家と連絡を取ろうと考えています」
「……スキャンダルの揉み消し? それとも資金援助? どちらにせよ、伊集院桜が嫌がりそうだけど?」
「桜には理由を説明して、納得して貰います。アメリカにいる先輩を引き戻す程、事態は大きくなっているのなら、伊集院家の力を借りなければ太刀打ち出来ないでしょう」
引き出しから資料を出す。ここ数年の桜のスケジュール、手術を依頼した医師リストだ。マネージャーがなかなか提出しなかった為、専門機関を雇い調べてみた。
「アメリカで高名な外科医を当たるとすれば、先輩の名があっても不思議じゃない。しかし先輩の名前はおろか、所属病院にすら通っていなかった」
「……聞いた事もない医者ばかりだな。それにワークスケジュールも詰め込み過ぎだ。これじゃあ、痛めた腕を休める間もない」
先輩の懸念に頷く。
「俺とショッピングモールへ出掛けるのも、桜はマネージャーに連絡していました」
「なるほど。敵は身近に潜んでるものだね。さっき話した通り、伊集院桜を処女性で売るには限界がきている。孤高のヴァイオリニスト、クールなミューズのイメージからの脱却が急務だろう」
「ちなみにアメリカではどんな風に報じられてるんですか?」
尋ねるとパソコンを起動し、ニュースサイトを開く。
「少しだけ待って下さい」
俺は頭を下げた。彼女の担当をどうしても外れたくないし、スポンサー離れの対策を講じたい。その為に根回しが必要。
「参考までに何をしようとするのか、聞いてもいいかい?」
「はい、隠しても仕方ないですし。先輩にも協力をお願いしたい。伊集院家と連絡を取ろうと考えています」
「……スキャンダルの揉み消し? それとも資金援助? どちらにせよ、伊集院桜が嫌がりそうだけど?」
「桜には理由を説明して、納得して貰います。アメリカにいる先輩を引き戻す程、事態は大きくなっているのなら、伊集院家の力を借りなければ太刀打ち出来ないでしょう」
引き出しから資料を出す。ここ数年の桜のスケジュール、手術を依頼した医師リストだ。マネージャーがなかなか提出しなかった為、専門機関を雇い調べてみた。
「アメリカで高名な外科医を当たるとすれば、先輩の名があっても不思議じゃない。しかし先輩の名前はおろか、所属病院にすら通っていなかった」
「……聞いた事もない医者ばかりだな。それにワークスケジュールも詰め込み過ぎだ。これじゃあ、痛めた腕を休める間もない」
先輩の懸念に頷く。
「俺とショッピングモールへ出掛けるのも、桜はマネージャーに連絡していました」
「なるほど。敵は身近に潜んでるものだね。さっき話した通り、伊集院桜を処女性で売るには限界がきている。孤高のヴァイオリニスト、クールなミューズのイメージからの脱却が急務だろう」
「ちなみにアメリカではどんな風に報じられてるんですか?」
尋ねるとパソコンを起動し、ニュースサイトを開く。