ミューズな彼女は俺様医師に甘く奏でられる
8・悲劇
■
翌朝、慎太郎の腕の中で目を覚ます。あらゆる意味で嵐が去っていた。
「おはよう」
彼はもう起きていて、微笑みながら私の髪を梳く。
カーテンから漏れる日差しが眩しい。シーツを引っ張れば昨夜の跡があちこちに残されており、頬が熱くなる。
「そ、その、慎太郎、これは……」
「はは、桜が可愛くてさ、色んな場所に俺の印をつけておいたんだ。でも、朝になると白い肌に無体な真似をしてしまったなぁとも思う」
手の甲に口付け、蕩けそうな表情を添えた。そんな幸せそうな顔をされると文句が言いにくい。
「まだ早いし、もう少しこうしていようか。昨夜は話もせずに過ごしたから」
素肌の彼は大胆に擦り寄り、一線を超えた事を照れる私を茶化す。
「桜、こっち見ろよ」
「み、見てる」
「見てないだろ、ほら」
慎太郎のキスは私を素直にさせる魔法。軽く啄まれただけで雛鳥みたく期待してしまう。
もっと優しく撫でて欲しい、更にギュッと抱き締めて貰いたい、いつもキレイだねと褒められたい。すっかり欲張りになってしまった。
「なぁ、桜。俺の事が好きって言ってみて?」
「昨日、言ったじゃない!」
「いいじゃん、減るもんじゃねぇし。俺だって散々囁いたよな? まぁ、夢中で聞こえてなかったかもしれないが」
「もう! どうしてそんな意地悪ばかり言うの?」
「それは桜が可愛いからだろ。あっ、美しいからの方がいいか? いや、やっぱり可愛いな。俺のレディ」
「知らない!」
「いやぁー、これまでやられっぱなしだったしな。ベッドでは負けないぞ」
「なにそれ、変態!」
そっぽを向き、まだ重たい瞼を擦る。
「まだ眠いんだろ? いいよ、起こしてやるから寝なさい」
ポンポンと頭を撫でられた。
「……ねぇ、起きて全部が夢だったら怖い。手を繋いでてくれる?」
「人を変態って罵った後にこれは反則だろ」
と言いつつ、繋いでくれる。
翌朝、慎太郎の腕の中で目を覚ます。あらゆる意味で嵐が去っていた。
「おはよう」
彼はもう起きていて、微笑みながら私の髪を梳く。
カーテンから漏れる日差しが眩しい。シーツを引っ張れば昨夜の跡があちこちに残されており、頬が熱くなる。
「そ、その、慎太郎、これは……」
「はは、桜が可愛くてさ、色んな場所に俺の印をつけておいたんだ。でも、朝になると白い肌に無体な真似をしてしまったなぁとも思う」
手の甲に口付け、蕩けそうな表情を添えた。そんな幸せそうな顔をされると文句が言いにくい。
「まだ早いし、もう少しこうしていようか。昨夜は話もせずに過ごしたから」
素肌の彼は大胆に擦り寄り、一線を超えた事を照れる私を茶化す。
「桜、こっち見ろよ」
「み、見てる」
「見てないだろ、ほら」
慎太郎のキスは私を素直にさせる魔法。軽く啄まれただけで雛鳥みたく期待してしまう。
もっと優しく撫でて欲しい、更にギュッと抱き締めて貰いたい、いつもキレイだねと褒められたい。すっかり欲張りになってしまった。
「なぁ、桜。俺の事が好きって言ってみて?」
「昨日、言ったじゃない!」
「いいじゃん、減るもんじゃねぇし。俺だって散々囁いたよな? まぁ、夢中で聞こえてなかったかもしれないが」
「もう! どうしてそんな意地悪ばかり言うの?」
「それは桜が可愛いからだろ。あっ、美しいからの方がいいか? いや、やっぱり可愛いな。俺のレディ」
「知らない!」
「いやぁー、これまでやられっぱなしだったしな。ベッドでは負けないぞ」
「なにそれ、変態!」
そっぽを向き、まだ重たい瞼を擦る。
「まだ眠いんだろ? いいよ、起こしてやるから寝なさい」
ポンポンと頭を撫でられた。
「……ねぇ、起きて全部が夢だったら怖い。手を繋いでてくれる?」
「人を変態って罵った後にこれは反則だろ」
と言いつつ、繋いでくれる。