そんなの、嘘。
部屋に居ることが怖い。
でも、私には行くところがない。
「……そうだ、やっこ……」
やっこの連絡先をスマートフォンの画面に出す。
この間会話した時、変な感じで終わっちゃったけど。
今、頼りになるのはやっこかもしれない。
プルルルルッ。
プルルルルッ。
呼び出し音が二回。
『……もしもし?』
やっこが電話に出てくれたことに、信じられないくらいに安心した。
「やっこ?ごめん、私。和音」
『何?どうかしたの?』
「この間、言ってたじゃん。やっこは霊感あるって」
『うん、あるよ。ちょっとだけだけどね』
「私に憑いてる幽霊ってさ、……その、悪い霊なの?」
やっこは少し沈黙して、
『怖いことが起きてるの?』
と、質問で返してきた。
「うん。変な物音がしたり、触ってもないのに急にテレビ点いたり……。さっきは電気がチカチカ点滅した」
『……わかんないけどさ、イタズラみたいな感じだね?』
「え?」