そんなの、嘘。

意外にも、やっこは手際良く焼きそばを作ってくれた。



「さぁ、食べよ〜」
と、狭いテーブルに湯気の立った焼きそばの皿が二つ並ぶ。



「……やっこ、ありがとう。あと、ごめん」

「え?何が?よくわからないけど、気にしないでいいよ」






「……私に憑いている人ってさ、高校の制服着てるって言ってたじゃん」



焼きそばを美味しく食べ終わり、やっこが買って来たジュースをふたりで飲みつつ、窓際に並んで座る。

夜空を見ながら、やっこは「うん。高校生だねぇ」と、頷く。






「もしかして、風太って名前じゃない?」






聞きたくないけれど。

聞かずにはいられなかった。




「……風太かどうかは、私にはわからない。でも、まぁ、イケメンかな」

「イケメン……」



風太はイケメンなのだろうか、と考えてしまう。

確かに私は好きだったから、カッコいいと思っていたけれど。

他の人から見ても、イケメンなのかどうかなんて、考えたことがなかった。

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