そんなの、嘘。
「……そんな……」
「ごめんね、風太の友達にはある程度知らせたはずだったんだけど……。和音ちゃんには知らせが届いてなかったみたいだね」
「風太にメッセージ送ったりしてたんです。既読にはならなかったけど……。さっきも電話したんです。なぜか繋がらなかったけれど……」
「電波が悪かったのかな?あいつのスマホだけは生きてるんだ。ずっと引き出しに片付けてるんだけど、両親が解約するのを嫌がって。まだ風太がいないことを信じたくないんだと思う」
「そうだったんですか……」
羽花さんと話していても。
写真の風太から目が離せない。
「風太のやつ、よく話してたよ」
「……」
「和音ちゃんと友達になったけど、毎日ケンカして笑ってるって。あいつ、マジでガキみたいなところあるから」
「……っ」
返事をしたくても、涙があふれてしまって。
無言で頷くことしか出来ない。
「……風太とふたりにしてあげる。今、家には私しかいないの。両親は仕事で出かけてて」
「……はい」
「リビングにいるから、何かあれば呼んでね」
羽花さんはそう言って部屋を出て行った。
風太の写真。
笑顔が懐かしい。
「風太、来たよ……」
声をかけてみる。