そんなの、嘘。
第二話
地元の田舎に帰る日は、三月末日から数日間になった。
それまでに。
私は課題や、進級制作を終わらせて。
合格をもらう必要がある。
幽霊に憑かれている、と言われてから。
私はひとりになることが怖くなった。
だけど。
四六時中、誰かといるわけにもいかない。
友達と一緒にいる時間も限りがあるし。
ずっと一緒にいてくれる、彼氏もいないし。
仕方なく、ひとりでアパートの部屋にいる。
スマートフォンを取り出し。
風太の連絡先を見つめる。
高校生の時。
ケンカ友達とはいえ、私達は仲良しだったと思う。
何かあれば意地悪を言い合っていたけれど。
私は。
本当は。
風太に恋心を抱いている。
風太とは。
本当はケンカ友達ではなく。
恋人になれたなら、どんなに良いだろうって。
実は今でも思っている。
だけど。
風太はきっと、そんなふうに思っていない。
それが悔しくて。
本心は隠したまま。