片恋 好きな人には好きな人がいる
旭は最近、ボッーとしている事が増えた。
「立花さんのことだろ?」と言った言葉に分かりやすく動揺してる旭は面白いけど、少し寂しくも感じて笑ってしまった。
やっぱり好きんだよな?立花さんのこと。
知ってたよ、旭が自分の気持ちに気づく前からほんと鈍いやつ。
僕は応援するよ、旭が笑っていられるならそれがいい。
立花さんに好きな人がいるとボソッと旭が呟いた。
へぇ、好きな人がいるのか。誰だろ?この言い方からして旭ではないだろうな。
旭の気持ちが僕にも少し分かるような気がする。
片想いって辛いな、と呟いたら僕にも好きな人がいることに旭は驚いていた。
凄いのか?そんな奴居るのかと、言ってるけどお前だよ!!
こんなに好きなのに一ミリも気づかない、超鈍感なやつ。
「早く気づいてくれるといいな」なんて旭は優しいな。
「もし、僕が失恋したら旭は慰めてくれる?」
冗談ぽく言ったら旭は、はぐらかしたけど多分、旭のことだから絶対慰めてくれるんだろうな。
そんな日は来ないだろうけど。
だって、どんなに頑張って聞き出そうとしても、一生教えてやらない…。
いつか、旭が好きな人と上手くいった時にちゃんと笑えるように、今だけはまだ隣にいてもいいかな?
旭、だいすきだよ。
もうすぐ本格的にはじまる夏の暑さを感じながら、コンビニに笑い合いながら二人で走った。