友達が結構重たいやつだった
 結局龍二は彼女と長続きせず、その後も何度か別の女の子と付き合っては別れるのを繰り返し、しばらくすると再び彼女を作らなくなってしまった。

 彼は一体何がしたかったのか‥‥

「友達と恋人の好きの違いはなんとなくわかった気がする」

「‥‥‥‥どう違うの?」

「恋人の好きじゃないとやる気になれない」

「‥‥‥‥やる気?」

「勃たな‥‥」

「あーあーあー!!!」

 どんなに仲良くしていても、友達のそんな大人の事情は知りたくない。

「愛海が聞いてきたんじゃんか」

「私が聞きたかったのはそこじゃない!なんですぐに別れちゃったのかを聞きたかったの!」

「え?だから、勃た‥‥」

「あー!もー!それはいいから!何?龍二は好きじゃないのに付き合ってたってこと?」

「うーん、まあそうなるのかな?付き合ってる内に好きになることもあるのかもって思ったんだけど、やっぱ無理だった。だから先に好きな人を見つけようとしてる愛海はある意味正しいんだと思うよ?」

 まじか‥‥いつまでも好きな人ができないことに焦れた私は、とりあえず付き合ってみるのもありなんじゃ?と思い始めていたとこだったのに、実行に移す前にそう思わせた本人にそれを封じられてしまうとは。

 いや待てよ?私は女だし、勃つとか勃たないとかあまり関係ないんじゃないか?それはつまり、無理ってことにはならないから‥‥

「男と違って女の子は心も体も傷つくことになるんだから、安易に考えちゃ駄目だよ?」

 なんで!?なんで私の安易な考えがばれてるの!?

「もう2年も一緒にいるんだよ?愛海の考えてることなんて、手に取るようにわかるから。そんなのあたりまえでしょ?」

 そんな‥‥私は龍二の考えてることなんて全然わかりませんけど?

「まあ、愛海は特にわかりやすいし?」

「ちょっと龍二、テレパシーで会話成立させるの、きもいから本当やめてくれない?」

「きもいって‥‥酷くない?さすがの俺でも傷つくよ?」

 3年になったら勉強で忙しくなるから出会いのチャンスはなくなる。高校生の内に彼氏を作るなら、今がラストチャンスなのだ。

 だが私の心のち○こは無反応のまま‥‥時間だけが虚しく過ぎていき、気がつけば受験生、更には大学生になっていた。

「私が理系を選択したのは、このためだったのかもしれない‥‥」

 大学の入学式で、私は拳を握りしめていた。

 見渡す限り、男!男!男!クラスメイトの8割が男!これならED疑惑のかかっていた心のち○こも反応するに違いない。
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