最強総長さまは元執事
プロローグ
——ある空港にて——
「ふぅ…。やっと着いた。」
人混みの中、1人の少女が呟いた。
「色々変わってるんだろうな…。会いたいな。……いや、私には会う資格なんてないのに。何言ってんだろ。」
自嘲の笑みを浮かべる少女。
「……でも、見るだけなら許してほしいな。」
切なそうな、愛おしそうな、悲しそうな、顔で呟く少女。
美貌の少女のそんな表情に、周りの視線が集まった。
「ごめんね、ーーーー。」
最後の言葉は、突如吹いた突風によって、誰にも聞かれることはなかった————。