最強総長さまは元執事
確かに、君だった。思わず振り向いて、視界に入っているのは。
身長も顔つきも変わっていたけど、確かに君だった。
「———流星、なの?」
確信をもちながらも、夢じゃない、現実だと分かりたくて。思わず訊いた。
「……………」
…訊いたけど、流星は目を見開いたまま固まっていた。
「……私、です。愛華だよ、流星」
勇気を出して、もう一度話しかけたときだった。
「……ッッ」
流星が、顔を歪めた。
泣きそうで、辛そうで、嬉しそうな、複雑な表情だった。
「あい、か……さま。ほんとう、に??」
「……うん。」
ああ、なんか私まで泣きそうになってきた
「愛華っっ!!逢いた、かった…本当に。
ずっっと!!!!お待ちして、おりました…」
突然。
信じられないくらい強い力で抱きしめられた。縋る、といってもいいかもしれないほどに。
“愛華”と呼び捨てにされたのには気づかない。
でも、声も変わっている、と気づく。
それに、安心している自分がいる。
嫌われて、憎まれているんじゃないかって心配してたから。不安だったから。
少なくとも嫌われてないと分かるこの反応に、とてつもなく安堵した。