最強総長さまは元執事


「そういえば、流星はなんでこんな人気(ひとけ)のない場所にいたの?」

沈黙を破るように放たれた質問。質問だらけだな、まあ話題が見つからねぇからしょうがないか…

ああ、そうだ。なんでここにいたか、だっけ?
まあ、それは俺が——

「ああ、それは私、が………。」

——所属する族の、溜まり場だから。


そう言いかけて、口を閉ざした。


「いえ、やはり内緒ということで」

そう意地悪く笑って誤魔化す。




愛華のトラウマから、逸すために。

愛華から嫌われるかもしれないという、格好悪すぎる気持ちを隠すために。

“もしかしたら”と考えてしまう弱い自分から目を背けるために。




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