最強総長さまは元執事
何を話せばいいのか分からず無言で歩く。
けど、気まずいわけではない。心地良い、安心する沈黙だ。
流星が隣で歩いていることを感じながら、ゆっくりと時間が過ぎて家に着く。
———はず、だった。
バッッ!!!!といきなり素早く振り返った流星。
「チッ。…気づくのが遅れました。申し訳ありません」
その言葉を聞き、瞬間的に悟った。
流星に続いて振り返ると、やはり予想通りの人物、不良を捉えた。
はあ。やっぱり、か……
いつもなら気づくんだけどな〜。ちょっと平和ボケ?幸せボケ?してたわ…
「おいお〜い。“あの藤宮”が女を連れてんじゃねぇかよぉ〜??しかもスゲー美人!まあとにかく。お前は俺が殺ってやるよ。で、そのべっぴんさんは俺が貰うぜぇ?」
……キモい。めっちゃキモい。ただの不良のくせに。
「黙れカス。誰が殺られるって?誰を貰うって??………死ね」
はいスゴイ殺気。閻魔様も裸足で逃げ出しそうな表情です。怖いねー流星さん。