最強総長さまは元執事


……今度こそ聞き間違いだ、と思った私はもう一度「なんて言った?」と尋ねる。


「ですから、このアパートの隣の空き地に家を建てて、そこに引っ越しますとお伝えしましたが?」

聞き間違いじゃなかった。

……というか、つい何十秒か前にほぼ同じ体験したわ。デジャブってやつ??


と、くだらない思考を表に出さずに流星に更に尋ねる。

「なんで……は、さっき訊いたわね。でも流星?今から家を建てても5ヶ月くらいは最低でもかかるわよ??」

「それは大丈夫です。愛華様の安全がかかっていますので」

ニヤッと悪い笑みを浮かべる流星に、私はそうなのとしか答えられなかった。

流星が昔より腹黒になった気がするのは、多分気のせいではない。



< 45 / 59 >

この作品をシェア

pagetop