危険な彼と甘い嘘



そのために、ちょっとホントっぽい感じが出るムードを作んなきゃ!!


「陽希!」


「なに?奈央ちゃん」


「友達に勧められたホラー映画があるんだけど、一人じゃ怖くて
 一緒に見ない?」


「え?」


彼はとても驚いたような反応をした


別に今までだって一緒に映画館行ったことあるし、普通でしょ


「い、いいけど、今日俺の帰り遅かったから、も、もう9時過ぎだよ、、、映画見終わったら、11時半くらい、、、寝るの遅くなっちゃうよ」


た、たしかに


見終わったら宿題もしなくちゃいけないから、ちょっと眠いかも


で、でも、、、エイプリルフールは一年に一回しかない!!


「大丈夫だよ!今日いっぱい寝たもん!!」


「そ、そういうことじゃないんだけど、、、まぁいいや」


私たちはなんやかんや映画を見始めた


だけど、だけどだけどだけどぉ〜!!!


「キャーーーーー」


思ったより怖いぃ〜〜〜


なんでこんなリアルなのぉ〜〜〜??


「こんなの見たら寝れないよぉ〜〜」


「だから言ったじゃん、やめなよって」


む!


「で、でも、今日どうしても陽希と一緒に見たかったんだもーん!!」


彼は少し耳を赤くした


「お、俺と、、、?」


「うん!もちろん!!」


「な、なんでお、、、」


『グヮーーー!!!!!!!』


「キャーーーー!!」


こ、怖い怖い怖い!!


きゅ、急に騒がないで!!


私は陽希の裾を掴む


「ちょ、ちょっと!」


彼は恥ずかしそうに私の手を振り払った


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