かりそめ婚のはずなのに、旦那様が甘すぎて困ります ~せっかちな社長は、最短ルートで最愛を囲う~
ファッションセンスが壊滅的
「西原さん、またこれからの季節のものを見繕ってくれないか?」
「由井様、いらっしゃいませ。もちろんです。それではこちらにどうぞ」
西原望晴の働くブティックG.rowの閉店間際にやってきたのは由井拓斗だった。
(相変わらず、綺麗な顔。目の保養だわ)
望晴は拓斗の顔を失礼にならない程度に、そっと見た。
三十一歳にしてIT企業の社長だという彼は、冷たく見えるほど整った顔に、モデルのようなスタイルの良さを持つ美男だ。
前髪も襟足も長めな髪型がまたオシャレに見える。
でも、実情は、髪は美容院に行くのが面倒なだけだし、服は上から下まで望晴の選んだこの店のブランド品を着ているだけなのを彼女は知っていた。
望晴は初めて彼がこの店に来たときのことを思い出す。
***
「由井様、いらっしゃいませ。もちろんです。それではこちらにどうぞ」
西原望晴の働くブティックG.rowの閉店間際にやってきたのは由井拓斗だった。
(相変わらず、綺麗な顔。目の保養だわ)
望晴は拓斗の顔を失礼にならない程度に、そっと見た。
三十一歳にしてIT企業の社長だという彼は、冷たく見えるほど整った顔に、モデルのようなスタイルの良さを持つ美男だ。
前髪も襟足も長めな髪型がまたオシャレに見える。
でも、実情は、髪は美容院に行くのが面倒なだけだし、服は上から下まで望晴の選んだこの店のブランド品を着ているだけなのを彼女は知っていた。
望晴は初めて彼がこの店に来たときのことを思い出す。
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