本日、初恋の幼なじみと初夜を迎えます。~国際弁護士は滾る熱情で生真面目妻を陥落させる~
ひとしきり笑い合った後、首席は足を止めてこちらを向く。
「北山、結婚おめでとう。アメリカで苦楽を共にした部下の幸せを、心から願っている」
真摯な瞳を真っすぐに見つめそう言った彼は、これまでで一番穏やかで優しい微笑みを浮かべている。
「結城首席……ありがとうございます!」
ほどなくして拓翔君の手を引いたさやかさんが戻って来た。拓翔君の胸には『ぱんださん』がしっかり抱えられている。
あらためて三人に心からのお礼を伝え、拓翔君に手を振ってマンションを後にした。
『次はぜひ、旦那様と一緒に来てくださいね』
そう言ってくれたさやかさんの腰に当たり前のように結城首席が手を添えていたのを思い出し、お互いのことを心から大事にし合っているのが、なんだかとてもうらやましい。私達もそんな夫婦になれるだろうか。いや、なりたい。
今度こそちゃんとしたお弁当を作って彼に渡す。そのときに気持ちを伝えよう。
びっくりさせてしまうだろうか。
喜ぶ――とまではいかなくても、笑って受け入れてくれる気はしている。
今朝、ベッドの中でいつまでも私を離さなかった彼のことを思い出し、気づけばゆるゆると持ち上がってしまう頬を隠すように、足元ばかり見ながら駅までの道を歩いて行った。
「北山、結婚おめでとう。アメリカで苦楽を共にした部下の幸せを、心から願っている」
真摯な瞳を真っすぐに見つめそう言った彼は、これまでで一番穏やかで優しい微笑みを浮かべている。
「結城首席……ありがとうございます!」
ほどなくして拓翔君の手を引いたさやかさんが戻って来た。拓翔君の胸には『ぱんださん』がしっかり抱えられている。
あらためて三人に心からのお礼を伝え、拓翔君に手を振ってマンションを後にした。
『次はぜひ、旦那様と一緒に来てくださいね』
そう言ってくれたさやかさんの腰に当たり前のように結城首席が手を添えていたのを思い出し、お互いのことを心から大事にし合っているのが、なんだかとてもうらやましい。私達もそんな夫婦になれるだろうか。いや、なりたい。
今度こそちゃんとしたお弁当を作って彼に渡す。そのときに気持ちを伝えよう。
びっくりさせてしまうだろうか。
喜ぶ――とまではいかなくても、笑って受け入れてくれる気はしている。
今朝、ベッドの中でいつまでも私を離さなかった彼のことを思い出し、気づけばゆるゆると持ち上がってしまう頬を隠すように、足元ばかり見ながら駅までの道を歩いて行った。