本日、初恋の幼なじみと初夜を迎えます。~国際弁護士は滾る熱情で生真面目妻を陥落させる~
7.告白の行方


 結城家での卵焼きレッスンから二週間。ひそかに練習を重ねてきた私は、今朝とうとう彼にお弁当を渡した。
 彼は一瞬驚いた顔をした後、いつもの爽やかな笑みを浮かべて『ありがとう』と言って受け取り、出勤して行った。

 いよいよだ。今夜、彼に告白する。

『圭君のことがすき』と真っすぐに告げたら、彼はなんと答えるだろう。考えただけで心臓が口から飛び出しそうなほどドキドキする。
 今から緊張していてどうするのだと自分に言い聞かせ、本省へと出勤した。
 
 職場では仕事に集中するよう心掛けていたけれど、定時が近づくにつれそわそわし始め、結局早めに切り上げて家に帰ることにする。
 緊張しながら帰宅したが、圭君はまだ帰っていなかった。ここのところ私より早い日もあったが、どうやら今日は違うらしい。が、それも想定済みだ。

 彼が帰ってくるまでに心を落ち着けよう。
 洗面台で手を洗いながら自分に言い聞かせてみるが、やはりそわそわと落ち着かない。

 朝お弁当を作ったおかずの残りが冷蔵庫にあるから、夕飯はそれとパスタで簡単に済ませて。とりあえず先に入浴しておく? でもそれだとなんだか妙な期待をしているみたいだ。いや、お風呂なんていつも気にせず入っているじゃない。
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