本日、初恋の幼なじみと初夜を迎えます。~国際弁護士は滾る熱情で生真面目妻を陥落させる~
「すごい!」
斜め後ろで手を叩いて喜ぶと、彼が『2nd 12』に賭けると、13から24の枠に入れば掛け金が二倍になって戻ってくるのだと教えてくれた。
そんなふうに少しずつ私に教えながらゲームを続けていく。何度かのベットで、チップは増えることもあったが、手元のチップはかなり減っている。彼がこちらを振り返った。
「香ちゃん、どこがいい?」
「え、私?」
「うん」
そんな突然言われても困る。
「適当にすきな数字を言ってみな」
「えっと、じゃあ……二十八!」
「了解」
言いながら彼が残り全部をそこへ置く。
え! 全部置いちゃうの⁉
ディーラーから締め切りがかかり、ルーレットが回りだした。
円盤を食い入るようにじっと見つめる。球の音がゆっくりになっていくのに反比例して、鼓動が速まっていく。カタンと小さな音を立ててルーレットが止まった。
「あっ!」
「二十八だ」
ディーラーから配当金が配られた瞬間、わあっと歓声が上がった。見たこともない数のチップに目を見張る。
「すごい……」
「ああ、三十六倍だからな」
「さんじゅうろくばい⁉」
「ひとつの数字に賭けるのは、確率が低いから配当が高いんだ」
斜め後ろで手を叩いて喜ぶと、彼が『2nd 12』に賭けると、13から24の枠に入れば掛け金が二倍になって戻ってくるのだと教えてくれた。
そんなふうに少しずつ私に教えながらゲームを続けていく。何度かのベットで、チップは増えることもあったが、手元のチップはかなり減っている。彼がこちらを振り返った。
「香ちゃん、どこがいい?」
「え、私?」
「うん」
そんな突然言われても困る。
「適当にすきな数字を言ってみな」
「えっと、じゃあ……二十八!」
「了解」
言いながら彼が残り全部をそこへ置く。
え! 全部置いちゃうの⁉
ディーラーから締め切りがかかり、ルーレットが回りだした。
円盤を食い入るようにじっと見つめる。球の音がゆっくりになっていくのに反比例して、鼓動が速まっていく。カタンと小さな音を立ててルーレットが止まった。
「あっ!」
「二十八だ」
ディーラーから配当金が配られた瞬間、わあっと歓声が上がった。見たこともない数のチップに目を見張る。
「すごい……」
「ああ、三十六倍だからな」
「さんじゅうろくばい⁉」
「ひとつの数字に賭けるのは、確率が低いから配当が高いんだ」