本日、初恋の幼なじみと初夜を迎えます。~国際弁護士は滾る熱情で生真面目妻を陥落させる~
「なにを考えているんだ」

 声をかけられハッとする。

「他の男のことか?」
「え!」

 頭の中を読まれたことに驚いて、弾かれたように顔を向ける。彼は苦いものを噛んだような顔をしていた。

「おまえのことを振ったやつのことなんて、すぐに忘れさせてやる」
「え、ちがーーっ」

 否定するより早く、再び唇をふさがれた。

 言葉らしい言葉を発する余裕など少しも与えてもらえず、羞恥と快楽の間を振り子のように反復しながらも、快楽の渦へと巻き込まれていく。味わったことのない刺激に翻弄され、喘ぎながら悶えた。

 甘い責め苦からやっと解放されて荒い息をついていると、彼がTシャツを脱ぎ捨てた。惜しげもなくさらけ出されたたくましい上半身を、痺れた頭でぼうっと見入る。すると彼がクスリと笑った。

「放心するにはまだ早いからな」

 彼はそう言うと、スカートのファスナーを下ろしあっという間に足から引き抜いた。

「きゃあっ」

 身に着けるものがショーツ一枚になってしまい、あまりの恥ずかしさに顔から火が出そうになる。胸を両腕で隠したまま、内ももをぎゅっと寄せた。

「うぶなふりで誘っているのか?」
「なっ」

 ふりなんて自分にできるはずもない。

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