本日、初恋の幼なじみと初夜を迎えます。~国際弁護士は滾る熱情で生真面目妻を陥落させる~
「どうした、そんなハトが豆鉄砲食らったような顔をして。嫌なのか?」
「い、嫌じゃないわ!」

 頭を勢いよく振ったら、ポンっと大きな手が乗せられた。それだけでドキドキと鼓動が加速していく。いよいよ私も初めてを経験するのだと思ったら、一気に緊張感が増してきた。そんな私に気づいた様子もなく、彼はアハハと無邪気に笑う。

「そんなに振ったら首がちぎれるぞ」

 頭を撫でられ、胸が甘やかに疼いた。相変わらず爽やかな笑顔はもはや反則級だ。なにをされても許してしまいそうな気がする。

「そうと決まればさっさとそうなれるようにしないとな」

 いよいよだ。そう思ってゴクリと喉を鳴らした私に、彼は蠱惑的な笑みをくれる。

「続きはあとのお楽しみ、だな」
「は?」
「なるべく早く初夜を迎えられるようにするぞ」
え! 
「進めるって……さっきの続きを、ってことじゃなくて……」
「ん? ああ、結婚話のことだけど」
「ええ!」

 驚きの声を上げた私に、彼は口の両端をキュッと持ち上げた。

「おまえの夢、俺が叶えてやるよ」




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