君のブレスが切れるまで―on a rainyday remember love―
2015年 6月
卒業を終え、十四歳となった私は明くる日、日本の空港へと降りていた。
空はあいにくの天気。創作などの話なら旅路はカラッと晴れるものだが、現実はそう上手くいかないらしい。
スマートフォンをポケットから取り出し、時計を確認する。
総一朗へ伝えていた時刻よりも一時間ほど早い。ここで手土産の一つでも買っていくべきか。
「なんて、そんなことしている暇はないのでしょうね」
様々な物が流れてくるターンテーブルから比較的小さなキャリーケースを見つけると、私はそれを手荷物に加えた。
荷物は少ない。倹約家ではないが、元々何かを欲しいと思うことがさほどないのだ。必要最低限の物しか買わない、だからこうなってしまう。機能的な物を重視し、遊び等の面白みもない。なんて浅い人間なのかしら。
人間? ……人間ね。ただ人の形をしているだけの出来損ない。
卒業を終え、十四歳となった私は明くる日、日本の空港へと降りていた。
空はあいにくの天気。創作などの話なら旅路はカラッと晴れるものだが、現実はそう上手くいかないらしい。
スマートフォンをポケットから取り出し、時計を確認する。
総一朗へ伝えていた時刻よりも一時間ほど早い。ここで手土産の一つでも買っていくべきか。
「なんて、そんなことしている暇はないのでしょうね」
様々な物が流れてくるターンテーブルから比較的小さなキャリーケースを見つけると、私はそれを手荷物に加えた。
荷物は少ない。倹約家ではないが、元々何かを欲しいと思うことがさほどないのだ。必要最低限の物しか買わない、だからこうなってしまう。機能的な物を重視し、遊び等の面白みもない。なんて浅い人間なのかしら。
人間? ……人間ね。ただ人の形をしているだけの出来損ない。