君のブレスが切れるまで―on a rainyday remember love―
2006年 6月
五歳になる頃、私は両親に連れられ海外を転々としていた。発端となったのは眼の力の一部を両親に伝えてしまったことから。私は両親が保有するミヤノジョウグループのある施設に送られ、眼についての研究をされることになる。その日々はまるでモルモットのようで、唯一違うのは人間として家に帰宅できることくらい。
研究の題名は『ブレッシング・オブ・ジ・アイズ』。祝福の眼ということらしい。幸せの意味を知らない私への当てつけだろうか?
両親に連れ回されていたはずの私だが、実際のところ二人と一緒にいた時間は限りなく少なかった。飛行機でも隣にいるのはベビーシッターであり、研究中でも両親とはマジックミラー越し。もちろん滞在していた家でも一緒にいることはない。総一朗と暮らしていた屋敷にいた頃と同じく、両親が帰宅することはほとんどなかった。
帰ってくるのは、私を連れ、他の海外へ旅立つ時くらいしか覚えがない。
どこへ行ったとしても続けられた眼の研究だが、成果は上がらず困難を極めることになる。
相手の心理を的確に読み取るロジックを、私が話さなかったからだ。知られれば、どれほど危険なものになるかは子どもながらに気づいていた。
五歳になる頃、私は両親に連れられ海外を転々としていた。発端となったのは眼の力の一部を両親に伝えてしまったことから。私は両親が保有するミヤノジョウグループのある施設に送られ、眼についての研究をされることになる。その日々はまるでモルモットのようで、唯一違うのは人間として家に帰宅できることくらい。
研究の題名は『ブレッシング・オブ・ジ・アイズ』。祝福の眼ということらしい。幸せの意味を知らない私への当てつけだろうか?
両親に連れ回されていたはずの私だが、実際のところ二人と一緒にいた時間は限りなく少なかった。飛行機でも隣にいるのはベビーシッターであり、研究中でも両親とはマジックミラー越し。もちろん滞在していた家でも一緒にいることはない。総一朗と暮らしていた屋敷にいた頃と同じく、両親が帰宅することはほとんどなかった。
帰ってくるのは、私を連れ、他の海外へ旅立つ時くらいしか覚えがない。
どこへ行ったとしても続けられた眼の研究だが、成果は上がらず困難を極めることになる。
相手の心理を的確に読み取るロジックを、私が話さなかったからだ。知られれば、どれほど危険なものになるかは子どもながらに気づいていた。