君のブレスが切れるまで―on a rainyday remember love―

「赤坂(あかさか)　奏(かなで)。十四歳……。情報が少ないわね」
「ある程度自動化をしているとはいえ、大多数の一般人の情報を調べるとなると時間が大幅に掛かりますな。この方がお嬢様の探しているお方ならばいいのですが」


　これだけの情報では、残念ながらわからない。この眼も万能ではなく、穴あきデータから全情報を読み取ることはできない。
　名前を知っているとはいえ、歳までは知らない。年齢幅を二、三歳くらいは取っているがそれだけで情報は更に膨大となる。情報整理を多重で行っている分、更新が遅れてしまうのは仕方のないことだろう。
　だが、時間がかかるはずの情報更新は思ったよりも早く、アップされた。


「近い時期に単独事故で両親が亡くなっているわね。そして両親は不仲だった……」
「少々前のニュースでこの事故が取り上げられていた覚えがあります。情報が上がるのが早かったのは、その為のようですな」
「不仲から起きた単独事故……かもしれないわね。この子の境遇を思うと可哀想という言葉しかないけれど、私が探している子ではなさそう」