君のブレスが切れるまで―on a rainyday remember love―
2017年 3月
十五歳の春。
日本の花はとても美しい色をしているのね。私が知っている海外では、学校の近くでこれほど多くの桜の木は植えられていなかった。
卒業シーズン真っ只中というのに、私の目は感動を映さない。
女子生徒はスカート、男子生徒はスラックス。ジェンダー的要素ではまだまだ後進国ね。転入したときも思っていたが、時代の進みはどうしても遅いものだ。
もうこの中学校に用はない。本番は高校からだ。
既にあの子が受験した高校への手続きは終わっている。できる限り穏便に、そして目立たぬよう成績も抑え、中学を過ごしてきたが眼は私の足を引っ張った。
恐れられるのには慣れているが、妙な噂が流れているらしい。
私に関わると、不幸が訪れるという噂が――
十五歳の春。
日本の花はとても美しい色をしているのね。私が知っている海外では、学校の近くでこれほど多くの桜の木は植えられていなかった。
卒業シーズン真っ只中というのに、私の目は感動を映さない。
女子生徒はスカート、男子生徒はスラックス。ジェンダー的要素ではまだまだ後進国ね。転入したときも思っていたが、時代の進みはどうしても遅いものだ。
もうこの中学校に用はない。本番は高校からだ。
既にあの子が受験した高校への手続きは終わっている。できる限り穏便に、そして目立たぬよう成績も抑え、中学を過ごしてきたが眼は私の足を引っ張った。
恐れられるのには慣れているが、妙な噂が流れているらしい。
私に関わると、不幸が訪れるという噂が――