契約結婚、またの名を執愛~身も心も愛し尽くされました~
彼が誠実に希実に向き合ってくれるつもりなら、こちらからも誠意を返すのが当然だと思った。
「それに私……嬉しかったんです。東雲さんが父に言ってくれたこと……うちの方ではああいう意見を口にする人はいませんから……」
里帰り中は何を言われても、孤軍奮闘で我慢するしかないと諦めていた。
でもこれからは、『それは違う』と共に憤ってくれる人がいる。そう思えるようになっただけで、どれだけ救われたことか。
愛実が励ましてくれたこともあり、希実は少しだけ自分の選択を誇れるようになれた。
「ありがとうございます、東雲さん。私、貴方に感謝しています。そりゃ契約結婚なんてとんでもないと驚きましたが、私にいい転機を与えてくれたんだなと今は思っています」
心から礼を述べ、希実は深く頭を下げた。
数秒後顔を上げると、珍しく戸惑い気味の彼が視線をさまよわせる。
東雲の驚いた様子が面白くて、希実は笑みを溢れさせた。
「それに私……嬉しかったんです。東雲さんが父に言ってくれたこと……うちの方ではああいう意見を口にする人はいませんから……」
里帰り中は何を言われても、孤軍奮闘で我慢するしかないと諦めていた。
でもこれからは、『それは違う』と共に憤ってくれる人がいる。そう思えるようになっただけで、どれだけ救われたことか。
愛実が励ましてくれたこともあり、希実は少しだけ自分の選択を誇れるようになれた。
「ありがとうございます、東雲さん。私、貴方に感謝しています。そりゃ契約結婚なんてとんでもないと驚きましたが、私にいい転機を与えてくれたんだなと今は思っています」
心から礼を述べ、希実は深く頭を下げた。
数秒後顔を上げると、珍しく戸惑い気味の彼が視線をさまよわせる。
東雲の驚いた様子が面白くて、希実は笑みを溢れさせた。