契約結婚、またの名を執愛~身も心も愛し尽くされました~
「……私の口調は簡単には変えられないと思います。と、年上の異性を呼び捨てにしたことがないどころか、男性の友達もいないので……」
「へぇ。それじゃ全部僕が初めてなんだ」

 どことなく嬉しそうに彼が笑う。ゾクッとする艶に、希実はすっかり魅了された。

「……大切にするよ。僕の奥さん」

 こそばゆさが心地いい。
 手探り状態の二人の新婚生活は、始まったばかりだった。
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