契約結婚、またの名を執愛~身も心も愛し尽くされました~
初デート
「君に気晴らししてもらいたい」
「き、気晴らし?」
二人揃っての休日は貴重だ。
本日、午後から新生活に必要なものを買い揃えに行く予定になっている。
希実としてはそのつもりだったのだが、目覚めて顔を合わせるなり『気晴らし』発言をされ、大いに戸惑った。
「ああ。社員食堂での件だけでなく、色々不快な目に遭っているだろう。……特に飯尾さんの件で」
「ああ……」
ちょっとした騒動になった一件は、結論から言えば希実にとって悪くない結果をもたらした。
つまり、陰口を叩かれる機会が圧倒的に減ったのである。
完全になくなったとは言えないものの、面と向かって絡んでくる輩がいなくなったのだから、万々歳だ。
東雲の牽制は効果絶大だったらしい。
二人が結婚したという事実は社内で認識され、『釣り合わない』と表向き口にする者は消えた。
内心では面白くないとしても――東雲自身が希実を『大事な妻』扱いしたことが大きかったのは間違いない。
今では社内の雰囲気も変わっている。
「き、気晴らし?」
二人揃っての休日は貴重だ。
本日、午後から新生活に必要なものを買い揃えに行く予定になっている。
希実としてはそのつもりだったのだが、目覚めて顔を合わせるなり『気晴らし』発言をされ、大いに戸惑った。
「ああ。社員食堂での件だけでなく、色々不快な目に遭っているだろう。……特に飯尾さんの件で」
「ああ……」
ちょっとした騒動になった一件は、結論から言えば希実にとって悪くない結果をもたらした。
つまり、陰口を叩かれる機会が圧倒的に減ったのである。
完全になくなったとは言えないものの、面と向かって絡んでくる輩がいなくなったのだから、万々歳だ。
東雲の牽制は効果絶大だったらしい。
二人が結婚したという事実は社内で認識され、『釣り合わない』と表向き口にする者は消えた。
内心では面白くないとしても――東雲自身が希実を『大事な妻』扱いしたことが大きかったのは間違いない。
今では社内の雰囲気も変わっている。