塩系男子のステルス溺愛 ~義兄の愛はわかりにくい
おじさんはひなたにそう言ってくれた。
「私はお母さんが幸せなら、大丈夫です」
ひなたの言葉に母が「この子にも今まで苦労をかけたから」と涙ぐむ。
あと4年したら、きっと一人暮らしもできる。それにさすがに母だっていい加減落ち着いてくれるだろう。そう思った。
ふいにリビングのドアがガチャリと空いて、一人の男の子が現れた。
その容姿の整い具合、かっこよさに、母と違って異性関係に疎いひなたも度肝を抜かれた。
薄茶色の髪にグレーっぽい瞳の色。背が高くて顔が小さくて、見たことないくらい手足が長い。少女漫画に出てくる王子様キャラのようだった。
「おかえり。たすく君。この前話したかなえさんとひなたちゃん」
おじさんが言うと、たすくと呼ばれた男の子はひなたと母をちらりと一瞥した。
「どうも」