塩系男子のステルス溺愛 ~義兄の愛はわかりにくい

暗雲

 日々は穏やかに過ぎて、ひなたは中学校3年生になった。
 新しいクラスでは仲のよい友達もできたし、たすくも今ではひなたを邪険に扱うことはなくなった。
 たすくから勉強を教わってからは順調に成績も伸びている。

「あ、やばい遅刻」

 相変わらずバスではなく徒歩で通学しているから、早起きしないといけないのに今朝はつい二度寝してしまった。慌てて飛び起きて、走って学校へ向かっていると後ろから声をかけられた。

「乗ってけよ」

 たすくだった。

「で、でも……」
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