塩系男子のステルス溺愛 ~義兄の愛はわかりにくい

 相変わらず二人が義兄妹だと知る人は学校にはいない。だから自転車に乗っているところなんて見られたらまずい。

「近くで下すから。俺も見られたくねーし」
「じゃぁお願いします」
 
 たすくの肩に手をかけると、去年よりさらに体つきがしっかりした気がしてドキリとした。身長がもう止まってしまったひなたとますますかけ離れていく。

「そろそろ来年のクラス決まるだろ。大丈夫か」
「頑張ったけど……結果はわからない」

 中高一貫なので、高校受験をすることはないけれど、学力別のクラス分けは、一大事なので皆勉強モードだった。
 たすくはもちろん一番上のクラスで、受験のために勉強で家にいることが増えた。予備校も行かず、一人で独学しているようだが、成績はもちろんよい。
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