塩系男子のステルス溺愛 ~義兄の愛はわかりにくい
「じゃないと一生あの女に振り回されるぞ。娘より自分が大事なんだよ。あいつは」
うすうす感じていたが、見たくなかった現実を突きつけられ、息ができなくなる。
「ああいうタイプの女が好きなのは自分だけで、ホントは誰も愛しちゃいないんだよ、親父もお前のことも」
あまりに殺傷能力の高い言葉。母に依存して生きてきたひなたにとっては、ナイフを心臓に刺されるような致死的なダメージだった。
「ち、違うよ。だってひなたのことが一番大事だから、いいお父さん探すっていつも言ってたし、いつも誉めてくれるし、優しくしてくれる……」
「ならなんで自分のこと優先するんだよ」