塩系男子のステルス溺愛 ~義兄の愛はわかりにくい
母親と女というのは、同じだけど別の生き物で、子供にとって母親が女であることは、結構きつい現実ではある。
母が自分の心と向き合ったことで、ひなた自身も過去のトラウマと向き合うことになった。
──私は、一生恋愛はしないんだろうな。
相変わらず男の子が苦手で、高校三年間も誰かを好きになったり付きあったりすることはないまま終わった。
母親を見てきて、恋愛にハマる恐ろしさを見てきたこともあるだろう。
きっと素敵な部分もあるんだろうけれど、自分には無理だと思う。
一人で生きていけるスキルが欲しいと、高校から独学でプログラミングをひたすら勉強していた。勉強も頑張って東京の大学に受かり、返済義務のない奨学金を貰えることになったので思い切って祖母の家を出た。