塩系男子のステルス溺愛 ~義兄の愛はわかりにくい
「月一回みんなで映画を見るだけのサークルです。そのあと食事しながら感想を言い合う。普段は部室でたむろってるけど、来るも来ないも自由」
「お、ボク興味ある」
「映画かぁ」
すごくたくさん見たことがあるわけではないけれど、映画は好きだった。それに映画研究会なら、女子の友達もできるかもしれない。
「行こうよ。せっかくだから一緒に」
「見学だけでもいいよ」
眼鏡をかけた優しそうな先輩に誘われ、見学に行ってみた。部室には幾人か新入生の女の子もいて、みんなまだ慣れない場所で緊張しているのがわかる。
ハル君は、あまり人見知りしないようで、すぐに打ち解けた様子で好きな映画の話なんかをしていた。
「んじゃ、このままお食事会と行きますか。あ、未成年はもちろん飲酒禁止ね。最近そういうの大学側からもうるさく言われてて」