塩系男子のステルス溺愛 ~義兄の愛はわかりにくい
他の学生がフォローするように、部長に声をかけた。
「あ、どうしたの? 腕」
ハル君に言われて、蕁麻疹が出ているのに気づく。
「ちょっと失礼します」
慌てて店のトイレに入って、蕁麻疹が収まるのを待つ。ちょっとした触れ合いで蕁麻疹を出すなんて失礼だ。別に襲われたわけでもないのに。
場の空気もしらけさせてしまった。
一体どうして自分はこうなんだろう。いつまで経ってもうまくなんてやれやしない。
やっぱりサークルなんて無理。バイトで人と関わるだけで精一杯だ。