塩系男子のステルス溺愛 ~義兄の愛はわかりにくい

「えーなに、たすくの知り合いなの? この子」

 たすくに腕を絡めた華やかなロングヘアに大きな目の美人がひなたを見る。美男美女でお似合いだった。二人でいたらとても目立つ。

「お久しぶりです」

 蚊の鳴くような小さな声で、呟く。やばい。めちゃくちゃ卑屈な気分がお腹の底から押し上げてきて、声なんかかけなきゃよかったと激しく後悔した。

「ヒナ、東京来たのか。まさかI大? 受かったのか」
「は、はい」

 うつむいたまま、目を合わせずに呟く。
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