早く素直になればよかった
「うーん、そうねー。」
話し終わって最初に口を開いたのは優乃だった。
美久は難しいと嘆いている。
「じゃあさじゃあさ、明後日のエイプリルフールに言ってみたら?それならは?って言われたりしてもウソってごまかせるし。どう?名案だと思わない?」
優乃が珍しく私の肩を激しく揺さぶって言う。
さすが優乃、そういう手もあるのか。
「優乃、それすごくいい!」
「優乃ちゃん、さすが!」
私と美久の声がほぼ同時に響いた。
「そうだろう、そうだろう。我を讃えよ。敬え。」
優乃はまるで女王にでもなったかのように膝を組んで笑みを浮かべている。
私は今からシュミレーションを始めるのだった。