前世恋人だった副社長が、甘すぎる
「怜士は二十歳になるまでは、ごく普通の育ちのいい少年でした。
スポーツ万能で頭もよく、友達も多い。
特に女性に興味がない以外は、至って普通の年相応の男子でした。
だけど二十歳になってしばらく会っていないうちに……怜士は変わりました。
よく笑っていた顔からは笑顔が消え、まるで能面のように無表情。
僕が話をしても、ただつまらなさそうに聞くだけになりました」
「そうなんですね……」
そしてそれが、今の怜士さんの状況だ。
私に対しては感情剥き出しだが、それ以外には興味がない。
いや、興味を通り越して、悪意すら感じられるほどだ。